こんにちは! 都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
FORTUNAが運動療育についてもプロ意識をもっておこなっていること(これらの話は社内研修でも十分に行っています)を、保護者の方に少しでもご理解頂けるように、理論的な話もしていこうと思っています。
今日は発達性協調運動障害の三回目です。
学童期における運動面で気になる子どもの実態についてお話ししましょう。
発達性協調運動障害(DCD)がみられる子どもは、幼児期から暦年齢や知的能力に比して、協調運動を必要とする日常生活動作が著しく劣っている状態が見られます。
養育環境に問題がないのに不器用さが目立ち、全身運動のぎこちなさや、手指の巧緻性の困難さが見られる場合もあります。
特に学童期に入ると、体育の授業のみならず、他の教科や学校生活においての様々な場面で困難な様子が見られることもあります。
その結果、学校生活全般において、成功体験がなかなか得られないために挑戦する意欲をなくしてしまうかもしれません。
全国の小学校の教員に行った粗大運動、微細運動、および学校生活全体の困難さについてのアンケート調査の結果をもとに考えてみたいと思います。
<粗大運動>
粗大運動で全体的に多かった回答が「姿勢が崩れやすい」「長縄跳びでタイミングよく入れない」「狙ったところにボールがいかない」「ボールを上手くキャッチできない」「ドッジボールですぐに当てられる」「全体的に動きがぎこちない」などがありました。
低学年では上記以外に「縄跳びができない」「短距離走で加速ができない」「転びやすい」「全体的にフニャフニャしてしまう」などもありました。
そのため体育や遊びの場面では上手くいかないことや失敗することが多く、鬼ごっこでは鬼になると他の子どもをなかなか捕まえられず、逃げるときはすぐに捕まるなど、結果的に鬼の役をし続けるような姿もみられました。
縄跳び、鉄棒、跳び箱などの器械運動も苦手で練習しても上達が遅く、自信をなくしてしまうことも見られました。また野球、ドッジボール、サッカーなどの集団活動では、グループの仲間から負けたときの原因をつくったとして仲間から責められたり、仲間に入れて貰えないこともあり、疎外感を感じてしまうこともありました。そのためますます運動をやる機会が減ってしまいました。
その結果としてDCDの子どものなかには、本来、身体を動かして遊ぶことは楽しいはずなのに、ますます運動嫌い、体育嫌いになってしまうという悪循環に陥ってしまった子どもが多いのです。
次回はDCDがある子どもの微細運動の様子についてです。
<筆者:職員K>
教師を退職した後に某大手スポーツクラブでGMをやりながら、小学生の子どもから高齢者までの運動指導(プール指導を含む)。その後、県立養護学校でさまざまな障害をもっている小学生に運動指導を実施。
また某高校のサッカー部プロコーチとして冬の全国高校選手権大会や夏の高校総体にも数回出場、サッカーJ1の某チームのプロコーチとしてアカデミー(U-15~U-18)、またスクール(U-9・10・11・12)の子どもたちの指導経験もある。